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提言

学校情報公開について

2007年7月19日

提言の中で触れている「給食費未納の情報公開」は
平成19年7月27日に教育委員会が実施しました。

必要性について

 現在、各地域で進められている学校選択制について教育再生会議でも話題に取り上げられている。それに伴い学校の情報の提示が求められてくるのは必然的な流れになる。
 また、学校選択制が導入された自治体が行ったアンケートによると、学校の選択の基準は、学力のみにとどまらず、学校内の運動やボランティア関連の活動、いじめなどの対応など多岐にわたっている。
 したがって、文部科学省や父母から学校情報公開を求められてから地域の教育委員会が急いで情報公開していたのでは、その内容についての吟味が不十分なままで、父母や教員の納得のいく形にならないおそれがある。そのため、情報公開を求められる前に、試験的にシステムを構築し、足りない部分は補って行きながら、いざ学校選択制が導入された時に、親・教員の双方が納得する形での公開が出来るようにしておかなければならない。


情報公開のシステムの構築とその意図について

学力関連

中学校
 年3〜4回。通常行われている学力テストで単に素点だけではなく、釧路全体の平均点とその学校の平均の差の推移も合わせて情報公開する。

 教育再生会議の提言による1回のテストの素点だけで教師の力量は判断出来ない。大切なのは、教員が受け持った生徒の学力をいかに伸ばしているかという面に目を向けることである。
 例えば、いつも90点を取っている子が80点しか取れず、いつも30点の子が50点になったとしても、1回のテストの素点で善し悪しを決めると、学力を伸ばしていなくても80点を取った子を受け持っている先生が良い先生とされてしまう。しかし、親が求めている教師は30点の子を50点に伸ばし、90点の子であれば100点を目指して伸ばしていけるそういう先生であり、そういう「子供の学力を伸ばして行く先生」を適切に評価できる形でなければ、情報公開の意味がなくなってしまう。

 また、学力の上昇・下降によって、先生の生徒管理が行き届いているかどうかを確認する目安にもなる。
 例えば、学級崩壊から立ち直って行く過程にあるクラスは必然的に学力が上昇していく傾向になり、その逆で、学級崩壊に向かっているクラスやいじめが行われるようになったクラスは必然的に学力が下降していく傾向がある。そういった面を確認する意味においても、平均点の伸び率を確認するということは、大きな意味を持つ。

 したがって、情報公開の形としては、年に数回のテストを行い、全体平均と学校平均の差を毎回のテストごとに見比べて、その伸び率を比較できる形が望ましい。
 もしも、単に1回のテストの素点をのみを提示するような情報公開を行い、その素点の低位クラスを受け持っている教員を能力が低いと判断してしまうような風評が定着するような事が起こると、学力低位の地域や荒れた学校を積極的に受け持とうとする教員が減少していってしまうことも考えられるため、こういう情報公開はかえって教員の資質を損なうおそれがある。したがって、1回のテストの素点で評価してはいけない。

小学校
 単元テストの平均点をしっかり公表する。
 中学校入学時点の4月学力を小学校別に分け平均点を出す。

 小学校では、特に低学年では、習った学習内容を長期間記憶しておくのに不向きな面があることや学校側の指導方針でも「基礎学力の充実」が挙げられてるため、一つ一つの単元テストに目を向けていく方が子供達の学力を把握しやすい。また、単元テストは比較的短期間に行われるため、極端に平均が低い単元があれば、その時の授業内容や授業中の雰囲気に何らかの問題があることがすぐに把握出来る。また、小学生の単元テストは、その単元の基本内容が中心なため、子供達に適切に指導することで基準点に到達しやすい。ここから、ある一定基準より極端に低い平均が続いているようであれば、これは担任の指導に問題があるという結論になり、教員の実力も把握しやすい。

 また、中学校のスタートラインに立ったとき、中学校の勉強に対応できるだけの力を小学校時点で養ってきているかどうかも判断が必要。小学校段階で単元テストに向けてしっかり学習出来ているのであれば、中学校の入学時点の学力テストでは問題はないはずなのだが、単元テストの直前に、単に生徒に「テストに出るから覚えてこい」だけの、テストをこなすための指導になっていて、生徒自身の学力の向上に対しての認識が薄くなってしまっていないかどうかを確認するために必要であり、また、最悪の場合、テスト中や採点による不正、データの不正などが行われていないかどうか確認するためにも、こういった処置は必要である。
 小学校の教員に関しては、クラスの生徒に一人で全科目を指導していくシステムになっている以上、独りよがりの授業に陥りやすいため、こういった客観的な判断が出来る情報公開が望ましい。

補足
 今まで中学校の学力テストなどの業者テストは、生徒の指導に積極的に取り入れない方向で扱われているため、場合によっては特区扱いが必要になることが考えられる。


芸能科目関係

 各小中学校での成果を教育委員会サイドで評価する体制を確立させる。

 校長の指導方針で、絵画・音楽・体育など、優秀な成績を収めている学校があるという話が実際にでてきているが、単に学力のみにとらわれていては、こういった学校ぐるみで積極的に行われている活動には、親の関心が向かなくなってしまう。したがって学力と同レベルで学校の評価体制を確立していかなければならない。
 そのため、全市の児童・生徒を対象とした図画・絵画コンクールや野球少年団などの体育活動、音楽コンクールなど、単に行事のレベルにとどめず、学校の評価の対象とするという事を明確化し、教員や親の意識を高め、こういった芸能面に向けた活動を活発化していくことが今後必要となる。

 また、こういった芸能活動面においては、評価のシステムが構築しづらく、初期段階では行き届いたものにならない可能性が高い。そのため、そのシステムの確立のため、随時、学校の教員から要望を募り、その評価の実現に教育委員会が積極的に活動していく。
 そして、これは単に学力のみに縛られない子供の適性・個性を伸ばすための一環である。それを実現するためには、教員・教育委員会相互の協力が必要。システム構築のための要望も何もなく、しっかりとした学校運営が行われていないのであれば、これは学校側の責任。要望があがっているにも関わらず、しっかりした評価態勢を築かないのであれば、これは教育委員会の責任という事にし、責任の所在をハッキリさせておくことが必要である。

その他、学校に関するもの
 各小中学校での使用副教材、総合的な学習の時間で行う内容などを通年の予定で公表し親に理解してもらうと共に、他の学校で行っている内容との比較もしてもらう。また、各行事や防犯・いじめに対する活動についても行っているものは随時公表していく。
 ボランティア活動については、各学校とも力を入れている面があるので、ここでは、教育委員会が一定の評価が出来るように、活動の準備や活動中の姿勢、外部の評価などの評定項目を作成し、学校の指導が適切であるかどうかを確認していくようにする。
 その他、地域ぐるみで挨拶などの活動を行っている学校や、公共の場所での行動に対する指導などへは、外部からの評判や苦情なども取り入れ、学校側に適切な評価を与えると共に保護者への協力を求められるよう配慮していく。
 特に総合的な学習の時間については、無計画な行き当たりばったりの時間稼ぎ的な授業にならないように、あらかじめ年間の学習内容を公表することによって、その学習内容を充実させたり教員の資質を高めていく一環としていく。
 さらに場合によっては、親の姿勢を知ってもらうために、給食費未納や教材費未納などの割合なども公表していく

 こういった評価態勢があり、これが公表されることによって、保護者は学校がより身近なものに感じ、また、保護者の協力態勢も確立されやすくなる。
 学区撤廃などに伴い、いずれ学校情報公開が求められてくることになるのであれば、よりよい情報公開態勢を早いうちから試験的にでも築いていく方が教員・教育委員会双方にとって有益であり、保護者の賛同も得られやすいと考えるべきである。

平成19年7月18日作成